だってさ、ほかの子は“しーん”としてて、じっと寝てるんだもん。

この子大丈夫!?って。

赤ちゃんのくせに、目がランランとしてるし、やる気満々な態度。


「柚季に似たんじゃない?」

「えぇぇ!?」


でも、性格はともかく、顔はなんとなく私にも律にも似てる気がする。

かわいい…!!

きゅーんとする可愛さ。

ぴょんぴょんしてるのがアホっぽいけど、バカな子ほどかわいいって言うし!?


「抱っこされますか?」


NICUの看護師さんが言ってくれる。

正直なんか怖い。

落とさないかな~とか。

でも、抱っこしたい。

看護師さんの手から、私の腕の中へ。


「…あったかい」


まだ名前のない“ぴょん吉(仮)”は、私の腕にすっぽり収まって、おとなしくなった。


「コイツ、賢いなぁ~」

「…え?」

「自分のママだってわかって、安心したんじゃない?」


律が“ぴょん吉(仮)”の頬を指でつついた。

ちょっと迷惑そうにしてる顔が、またかわいい~。

すやすや寝始めた“ぴょん吉(仮)”は、まさに天使の寝顔。


「ねぇ、律。名前どうする?」

「どうしようか?いっぱい考えすぎて、結局決まらないな」


色々考えてリストアップしてたんだけど、まだ20個くらいにしか絞れてない。

洒落た名前もいいけれど、読みにくい。


「大空の“空”って書いて“そら”はどうかな?」

「あれ?“宇宙”って書いて“そら”じゃなかった?」

「そう考えてたけど、宇宙ってさ、果てしなく遠いから」


もっと近くに。

いつでもそばにある空。

親しみやすい子でありますようにって。

みんなに愛されますようにって。