「ケンカはしてないみたいだね、拳は何ともないし。 てっきりまたケンカでもして休んでるのかと思ってた」 「もうケンカは引退したよ。…綾都をあんなひどい目に合わせちまったしな」 ユキちゃんの無表情な顔に影が落ちた。 「…まだ気にしてんの?もういいって。ほら、卵焼きあげっからさ」 あたしは微笑んでユキちゃにお弁当箱を差し出すと、ユキちゃんは無言で卵焼きを静かに取って食べた。