「…あ、ユキちゃん!今日学校来てたんだ?」 「たった今来た」 ズボンのポケットに手を突っ込んだまま、無表情で感情なく答えるユキちゃんは、あたしの唯一の男友達。 「ユキちゃん昼飯は食べたの?」 「食ってきた。つーか、“ちゃん”付けで呼ぶのやめろって何回言えばやめてくれんの」 眉間にシワを寄せてあたしにギロリと目を向けるユキちゃんだけど、こんなの会えばいつものことだ。 「えー、“ユキちゃん”のほうが似合ってんじゃん」