「そーいえば綾都ちゃん膝平気?」 「え?」 真白の声で我に返った。 「昨日あのオッサンから逃げてて膝擦ったんだろ?痛くない?」 「あ…全然平気」 真白に言われて今怪我してたことを思い出した。 「唇は?切れてたけど」 真白の細い指がそっとあたしの口角に触れた。 「それも平気。痛くないよ」