消えそうな声で言うとあたしはクマを握りしめたまま顔を隠した。 「…ごめん、すぐに渡せばよかったな」 頭の上に手を置かれ、ぽんぽんと優しく叩かれた。 「…別に」と素っ気なく返事をすると何故か勝手に口が動きだした。 「……このクマは…誕生日に母さんが買ってきてくれたの……」 この話は誰にもしたことないのに…、何でこんなホスト野郎なんかに話てるんだろ……。 自分でも不思議だ…。