あたしは体が怠くなってシャッターの閉まっている店の前に背をもたれて屈み込んだ。 「疲れた……」 目をつぶって呟いた、その時だった。 「ねぇキミ」 男の低い声がうつ伏せているあたしの上から降ってきたけど、あたしは無視した。 「…シカト?…ねぇ」 明らかにあたしに声を掛けているみたいだ。