あたし…好きなんだ…、真白のこと……。
でも“あたしも好き”って言えない…。
やっと気づいたのに…。やっと気づけたのに…。
恥ずかしいからとか、そんなのじゃない気がする。言葉が出そうで出てこない。
「俺、返事は求めねぇから」
あたしの髪を撫でながら真白が耳元で呟いた。
「なんてか…、綾都に俺の気持ち…を、知って欲しかっただけって…いうか…」
だんだんと歯切れが悪くなっていく真白が可笑しくて、あたしは小さく笑うと、真白は「笑うな!」と照れながら怒った。
「今日はもう帰るか。バイトに疲れてるだろ、綾都」