「中原さんに屈することなくいつも強気で、誰にも媚びることなんてしない…。

そんな朝比奈さんを私…ずっと尊敬してました!でも私…中原さんに逆らうのが怖くて……、昨日朝比奈さんを騙してしまった…。

本当にごめんなさい!!」


「…何言ってんの?長谷川さんがユキちゃんに知らせてくれたから、あたしは助かったんだよ。

それにあたし…長谷川さんに尊敬されるほど強くなんかないよ。

長谷川さんが思うような綺麗な人間じゃない」


「そんなことないです!!」と大声を出した長谷川さんの声は、チャイムの音と混ざった。


「チャイム鳴ったね。教室戻ろっか」


「…はい……」と小さく返事をしてくれた長谷川さんは、しゅんとした表情をしていた。