光をもとめて


「お前っ…綾都にこんなヒデェことしたのか!!?」


弁解しようと慌てる樹里に怒りが抑えきれず、俺は樹里に怒声を浴びせた。


「~その女が悪いのよ!!後から出て来たくせに、真白を横から取ろうとするからっ!!!」


樹里の言葉に、俺は怒りで震えていた拳を無意識に挙げようとした。


「お取り込み中悪いけどさ」と冷静な男の声で俺は我に返り手を止めた。


「…女、今度アイツに何かしたら本当に殺す」


樹里を見下ろす目は冷たく、言葉には恐怖を感じさせ、嘘で言っているとは思えない。


樹里は肩を震わせて、男が去って行くのを怯えながら見ていた。


そんな樹里を1人残して、俺は男の後を追った。