「……ね、ユキちゃん、一つ聞いていい?」


「あ?何」


ユキちゃんは玄関の扉を開ける手を止めて振り向き、あたしは自分の左腕を強く握りしめて顔を伏せた。


「…何で……あたしに優しくしてくれるの…?

あたし…ユキちゃんを散々傷つけたんだよ。

あの時だって…っ、ユキちゃんにヒドいコトさせたのに……。

なのに何で…あたしを助けてくれたり…、そばにいてくれるの…?」