「ま…」真白の名前を呼びかけた時、 「綾都、何かあった?」と真白の声に遮られた。 「え…何で…?」 「電話の声、何かいつもと違うような気がしたから」 ……どうして真白は…いつもそんなことがわかんの…? 「そんなことないよ…」 真白はいきなり、あたしの両方の頬をムニュっと摘んだ。 「何もなかったって顔してねぇじゃん。お兄さんに言ってみ?」 パッと手を話した真白はにこりと微笑んだ。