重い前髪。 長いスカート。 わざとらしいくらいだっさいメガネ。 極め付けに三つ編み。 「…はぁ。」 鏡に映る自分を見て、思わずため息が出る。 『ディーンドォーン』 マンションのちょっと豪華なインターホンがなり、かばんを持つ。 「行ってきます。」 返事がするはずのない部屋に向かって、いつものよいうに挨拶をしてあたしは家を出た。