そうして席についた私。

「まじきもいんですけどー。自分があたしらに勝てるとでも思ってんのー?バカでしょ。ハハハ!!」

香奈恵が大声で言った。それに続けて4人が笑い出した。

そう、あいつらが対抗しないワケがない。

「勝てるよ」

私は冷静に答えた。

クラス全員静まり返った。

そう。だってあたしがあの5人に勝てるワケないんだもん。

あの5人はなんでもかんでも暴力で片付けようとする。時には刃物で斬りつけたり、裸にして動画を裏サイトに載せたり。

でもそんなの犯罪。

でもみんなはその事を通報したりしない。

さらにひどい事をされるから。

「あんたたちさぁ、実は凄く弱いんだよね。群れていないとなぁんにも出来ない。素手でなにも出来ない。卑怯な手ばっかり。言葉で気持ちを伝えられない。本当かわいそうな人ね。」

私はわざと、けなすような言いかたで言った。

私、間違った事は言ってない。

「なんだって…!?あんたいい加減にしなよ?」


でも決して、クラスのみんなはどちらの仲間にもなろうとしない。

私はてっきり、みんなは香奈恵たちの味方に入ると思っていた。