あたしは言葉を続けた。
「でもね、若村くんは
雅美ちゃんが好きなの。」
若村くんの気持ちを
若村くんの好きな人に
あたしが伝えるのは
もちろん、タブー。
でも若村くんの為だった。
「もし好きな人に男がいて
その男が浮気症なら
いやでしょう?」
雅美ちゃんは下を向いた。
「あたしは…好きな人には
一番幸せになってほしいって
思ってる。だから雅美ちゃんが
渡辺先輩と付き合ってるの、
見てらんない…。」
あぁ…あたし何言ってるんだろう。
雅美ちゃんは本気で先輩が好きで、
3股でも構わない、好きだから、
って付き合ってるのかもしれないのに。
雅美ちゃんにも先輩にも
失礼だよね…。
「いや。私は渡辺先輩とは
別れない。」
