〇●ポーカーフェイス●〇

「私ね、お姉ちゃんがいるの。今はお姉ちゃんは大学の近くに一人暮らししてるんだけどね…お姉ちゃんはね、いつもにこにこしてて、人あたりがよくて、みんなに平等で、すっごく優しいの



ふわふわしてて、少し抜けてるところがあって、でも真面目で、お母さんやお父さんの言うことを文句言わずに素直に聞き入れる




今でもお姉ちゃんが家に帰ってくるとお姉ちゃんが中心にいて、家の中もぱっっと明るくなる。」





篠原葵は何処か遠くのほうを見つめながら話し続けた





私は何も言わずに静かに聞いていた





「それに比べて、私はわがままで、気分屋で、お母さんとお父さんの言うことも素直に聞かなかった。いつもお姉ちゃんと比べられてた。お姉ちゃんは反抗期なんてなかったのに、葵はわがまま娘だって。



私がプレゼントかってきたり、家の手伝いをすると、珍しいって不思議がられた。




私はいつも不機嫌。みんなそんな風に思ってる。だから私もその私でいなきゃって、家ではいつも気分やでわがままな私でいるしかなかった。
だってちょっといいことするとお姉ちゃんはよくそういうことしてくれてたわね、葵がそんなことするなんて珍しいわねって」





「別に愛されてないわけじゃないの。お母さんもお父さんも私のことは好きでいてくれてる。大切にしてくれてる。




でも、お姉ちゃんのほうが好きなの。それくらい気にしなければいいんだけど気になっちゃうの。




小さいころの写真がお姉ちゃんの写真のほうが多いとか、お姉ちゃんが高校生のころは毎日お弁当作ってたのに私には作ってくれないとか、私の誕生日だけケーキ買うの忘れるとか、たまに名前呼び間違えるとか…そんな些細なことが気になってしょうがないの」





少し目に涙をためた篠原葵はまた微笑んだ