そんな私を見上げてにやっと笑う
「自惚れすぎ。熱帯魚のきれいさに見とれている訳じゃない。金魚の中でどう生きていくか見てみたいだけ。そんな興味」
「何それ。悪趣味」
そんな言葉に末永はまた柔らかく笑いう
「悪趣味だろ?いわゆる暇人。」
そんな返しに思わず私も笑いそうになってしまう
「でも実際に金魚鉢に熱帯魚を入れたらどうなると思う?」
「さあ…」
「生活環境が違いすぎてすぐ死ぬ」
肌寒い風が吹き抜けた
末永の瞳は深くて何を考えているのかわからない
「私が死ぬって?」
「さあね。俺が話してるのは魚の話!!」
そうまたいたずらげに笑う
私はうんざりして末永に背を向け、屋上を出ようとした
「あと、いっとくけど!!俺、B専だから!」
そんな末永の賞もない最後の一言
私はため息をつく
「あっそ!」