ちょうど通勤の時間と同じせいで電車は満員電車
人と人に押しつぶされながら何分か耐え、学校の最寄り駅で降りた
同じ制服を着ている生徒が何人もいて、入学して間もないからか、みんなうわべで集団で登校している
そんなぞろぞろとした固まりに紛れるのが嫌で私はみんなとは違う昨日の道で行くことにした
しばらく歩くとやっとがやがやとした声は消えて静かになっていき、公園にはいるときには全く話し声は聞こえなくなった
この公園はなんだかやけに静かで
緑に囲まれ、風でこすれあう葉っぱとか
鳥の羽ばたく音とか
そんな音がとても新鮮に聞こえる
なんだか違う世界にいるみたい
そんな公園のベンチに目も向けるとやっぱり座っているのが篠原葵で、目に入った時はげ・・・と思ったけど篠原葵はやっぱり真っ直ぐ前を見たまま空っぽだった
私はそんな彼女なんて目に入ってないかのように、当たり前に後ろを通り過ぎた

