「私、有名になんかならないと思います…」





そんな私の言葉に桜山さんは笑った





「もしもだよ?君ほどの美人が言う言葉は影響力がありそうだからね!


あと、バイトは決まってるのか?」





私は首を振った





桜山さんはやっぱりと言う顔をし、立ち上がった




「結愛は自分でも自覚してると思うが、美人だ。


その見た目を生かさないのはもったいないと思うんだ。



私の知り合いが芸能事務所の社長でね、もちろんちゃんとした大きな事務所だよ。私が紹介するから試しにモデルやってみないか?



他のアルバイトよりはお金はもらえると思うが」





そんな言葉に私は少し戸惑う





「でも私…まだうまく笑えもしないんです…」





「大丈夫だ。君はただ普通にしているだけで絵になるからな。


実はその社長に頼まれていてね、いい人材がいたら紹介して欲しいって。


これは私からのお願いでもあるんだよ」





私はしばらくその場で考え、首を縦に振った




「わかりました…わたしで務まるかわかりませんが、やってみます。」




そう言うと桜山さんは笑顔で私にハグをした






そのあと、桜山さんと外のレストランで食事をし、分かれた





なんだか不思議な感覚だけど少し死んだお父さんを思い出した





こんなにも優しい人
こんな近くにいたんだ。





私は今まで気づかなかった自分の愚かさに反省した