屋上に暖かい風が吹き抜ける





全部話し終わり、何だか背負っていたものをすべて脱ぎ捨てたように軽くなった





「これを聞いて、私のことどう思ってもいい。軽蔑したっていい。



でも、同情はされたくない。



ただ今までの私のことあなたたちに伝えたかった。
知って欲しかった。私のこと。」






そうつぶやくと篠原葵は私をぎゅっと抱きしめた






「気づいてあげられなくてごめんね。ずっと辛かったよね。苦しかったよね。寂しかったよね…



今まで東城さんがしてきたこと
正しいことばかりじゃない。



でも、聞けて良かった。
東城さんのこと知れてよかったよ。




これからは私たちがいるから。
もう一人じゃない」





私を包みながら篠原葵は泣いていた





「私もあなたたちのこともっと知りたい。友達になりたいです。



夏華くらい大切なもの探したい」






そんな私に西岡俊介は笑った





「最後にさ、夏華ちゃんに伝えたいこと叫んどけば?お前の気持ち、あれから伝えてないんだろ?


で、今日からまた進もうぜ?俺らと一緒に」





西岡俊介のそんな言葉に私は篠原葵をはなし、大きく息を吸い上を向いた





今までの思い
今の思い
これからの思い
全て夏華に届け





「夏華‼‼頼ってばっかでごめんね…



泣いてばかりでごめんね




弱音ばかりはいてごめんね




何も気づいてあげられなくてごめん…





私強くなるから…




もう泣かないから




沢山笑うから





全部、全部、半分こにするから…






お願い





夏華…





戻ってきて…」






私は泣き崩れ、フェンスにしがみついた






「私はまだ強くない。今でも夏華に頼ろうとしてる。



帰ってきてほしいって。
また会いたいって
そう想う。」





そんな私を優しく支える篠原葵





私はその暖かさに微笑んだ




「あなたたちと、もっと早く出会いたかった。



次、生まれ変わる時は…
同じような苦しみを受けてもいいから
またあなたたちと出会いたい。



次は夏華と一緒に
夏華との約束守って、あなたたちとここで出会いたい」





頬に涙が流れる
次から次へと溢れ出す