妹の怯えた顔に少し胸が痛くなった




でも私は決めていた
すべてを捨てるって




私は妹の手を振り払う
そして茶封筒を手渡した






「この中に50万入ってる。無駄遣いはしちゃダメ。いざという時につかいな。」





妹は目に涙を溜めながら私にしがみついた





「やだ!お金なんかいらない。私我慢するし、わがまま言わないから。お姉ちゃんそばにいて。どこにもいかないで」





妹の震えた声




私は耳を塞ぐように首を降った





「私は全部捨てるの。家族も何もかも。私はいらない」





私はそれだけ言い捨て、妹を突き放し家を出た





そして、この街にやってきた