〇●ポーカーフェイス●〇


車は有名なホテルにつき、男が入るとフロントのスタッフが駆け寄り、荷物を持つ




みんなが深々とお辞儀をする




私はそんな光景に呆然とした




部屋に着くと、男はジャケットを脱ぎ、
ネクタイを緩める





そして、私に目をやった




私はベットに座り、無表情で男を見上げた





「私とやりたいんですか?」





男は笑った





「はははっ。まあ、男なら君みたいな可愛い子だったらそう思うだろうな?」





男はタバコに火をつけ、大きく吸い込み、煙を出す





「いいよ。やっても。…お金、くれるなら」





そんな言葉に男は私を目を細めて見る





「お金が欲しいのか?」





「お金があれば。生きていける。お金以外何もいらない。」





また男は笑う





「まあな、間違ってはいないよ。君も見ただろう?ホテルの従業員の私への気の使いよう。



金を積めば、こうなれる。
みんなが見方になるよ。
でもそれだけじゃ、何か物足りないときってあるんだよ」



そうまたタバコの煙を吐き出し、火を消した



「私には、お金しか必要ない」




そんな言葉に、男は私を覆いかぶさる






私は無表情のまま
男と交わった





何も感じなかった。
あの時みたいな恐怖も、虚しさも、悲しみも




何もなかった