車は有名なホテルにつき、男が入るとフロントのスタッフが駆け寄り、荷物を持つ
みんなが深々とお辞儀をする
私はそんな光景に呆然とした
部屋に着くと、男はジャケットを脱ぎ、
ネクタイを緩める
そして、私に目をやった
私はベットに座り、無表情で男を見上げた
「私とやりたいんですか?」
男は笑った
「はははっ。まあ、男なら君みたいな可愛い子だったらそう思うだろうな?」
男はタバコに火をつけ、大きく吸い込み、煙を出す
「いいよ。やっても。…お金、くれるなら」
そんな言葉に男は私を目を細めて見る
「お金が欲しいのか?」
「お金があれば。生きていける。お金以外何もいらない。」
また男は笑う
「まあな、間違ってはいないよ。君も見ただろう?ホテルの従業員の私への気の使いよう。
金を積めば、こうなれる。
みんなが見方になるよ。
でもそれだけじゃ、何か物足りないときってあるんだよ」
そうまたタバコの煙を吐き出し、火を消した
「私には、お金しか必要ない」
そんな言葉に、男は私を覆いかぶさる
私は無表情のまま
男と交わった
何も感じなかった。
あの時みたいな恐怖も、虚しさも、悲しみも
何もなかった

