〇●ポーカーフェイス●〇

その後ろ姿をただただ呆然と見つめていた俺たち三人




『私、一回死んだから』




そう前にあいつは言っていた。




そういうことだったのか。





今なんとなくわかった






詳しいことはまだわからないけど、きっと俺たちが想像している以上に辛い何かがあったこと




あいつがあんなにも仲間とか友情とかそういうものが嫌いなのは一度裏切られているから





全校生徒に
頼る人もきっといなかった





これ以上踏み込んでもいいのか
そんなふうに考える自分もいる





でもそれ以上にあいつのことをもっと知りたい





あの笑った顔を見たい





そう望む俺がいる





「このままじゃだめ。」





隣でそう篠原が呟いた





「きっと今東城さん一人で戦ってるんだね。自分と」





「あいつが俺たちを信用しないなら、まず、俺たちがあいつをわかってやらなきゃな」




そう伸びをしながら言う俊介





「あいつのあんな笑顔、実際に見て見たくね?」





そう興味津々に笑った






俺たちは三人頷く




「ちょっと俺、行って来るわ」




そう一言残し、その場を後にした