今は4月
まだ暖かいとは言い難い





街を歩けばピンク色のドレスをまとった木々たちが並んでいて





人々は風にふわふわとのってくる異物を入れないようにとマスクで顔を覆う






この季節が大好きだった頃も私にもあった








新しい出会いに胸が高鳴り、新しい仲間と手を取りあった







でもそんなのは今ではどうでもよくて、





どうでもいいのだけれども、私は清々していた





久しぶりにまともな空気を吸ったような気分になったのだ





無責任も
卑怯も
共犯者達も
嘘つきも
裏切り者も
大切な物も
自分自身も






全部捨てて






ここを歩いているのだ






まともな空気を
まともじゃなくして
独りで、
新しく、
生きる。






始まる
高校生活が