私はいつも通り一人でお弁当を食べて教室を出た
階段を登り、屋上に出る
暖かい風が吹き抜け、フェンスによっかかる篠原葵が目に入った
私はもちろん声もかけずに篠原葵のうしろを通り過ぎようとすると、篠原葵は校庭を眺めたまま言葉を発した
「あれがお姉ちゃん」
私は何も答えずに通り過ぎ、すこ離れたところにぱたんっと倒れた
「明るくて愛想よかったでしょ?
私はああなりなかった。
家でも学校でも何処でも。」
私はまた聞き流す
「昨日からお姉ちゃんが実家に何日か帰って来てるの。
お姉ちゃんと会うたびに私も家でもこんな風になれたらなって思う。」
「それがあなただからしょうがない。
でも学校でのあなたも本当の篠原葵でしょ。
偽善者になれるだけいいんじゃない?」
そんな言葉を返したとき屋上のドアがガチャっと開いた

