そんな言葉に私は振り返り、しばらく黙り込んだ




「強く見せるの。あいつらの前では絶対泣くな。」




それだけいい私はトイレから出て行った






強い人なんていない





ヒトは
強さと弱さの真ん中にいる




強くもなれるし
弱くもなる






いつかのことを思い出した
苦しいよ、、、と
痛いよ、、、と
助けて、、、と




どこからか聞こえてきたんだ




そんな風に叫んでいたあの頃の私には






夏華がいた





でも今、夏華はいないから
あの子には夏華はいないから





私はあの子を助けたわけじゃない






私はあのころの自分を助けたんだ