不良の印



「今すぐ結城さんを病院まで運んで!!!」


だけど、誰も動こうとしない


なんで...?


「どけや。俺らで運ぶからお前は隆弘さんを頼む」


「分かっています」


達哉さん達が結城さんを担いでバイクに乗せ、走り去った


「隆弘さん、しっかりしてください」


「理...紗...?」


「そうです!!しっかりしてくださいよ!!」


「アイツは...?」


「達哉さん達が病院に運びました。隆弘さん、やりすぎです」


「だよな...分かってる...俺も...」


自分の掌を眺めてる


「隆弘さん...?」


「俺...自分が怖くなる...気付いたら相手は痙攣起こして倒れてたり...死んでないのが奇跡みてえで...」


手が震えてる


「見境なくすんだよ...すぐに...ただ守りてえって思ってるだけなのに...度を越しちゃってるっつうか...気付いたら周りの奴は怯えてて...それを見た俺が怯えて...バカみてえにまた...殴って...」


「隆弘さん...」


そっと隆弘さんを抱き締める


「理紗...?」


「あたしは怖くないです。ただ一生懸命に守りたいだけでしょ?それは誰だって思います。ただ、隆弘さんは表現するのが下手なだけでしょ?」


「...あったけぇ...」


そのまま、隆弘さんは静かに泣いた


21歳のくせして...


無理しすぎなんです、隆弘さんは