不良の印



「理...紗...?」


「ハァ...」


思いっきり空気を吸う


「アンタらもよく聞け!!粋がってんじゃねえよ!!ケンカして、俺は強いって言って、そんなの弱いだけじゃん!!本当に強い人はそんなことしない!!何があっても...ケンカなんか卑怯なことは絶対にしない!!」


辺りは一瞬にして静まる


隆弘さんも動きを止める


「ケンカばっか積み上げて、そりゃあ強くなるよ!!でも、弱いままは弱いままだ!!中身が、全部が弱かったら、強くなんかならないんだよ!!!」


「みんなは、何のために暴走族に入ったわけ!?理由がある人、居るんじゃないの!?理由を果たさなくていいの!?ただ粋がって、怯えてほしい奴は今すぐ暴走族から抜けて普通の生活に戻れ!!とっとと辞めろ!!!」


「は...っ」


一気に隆弘さんが押されて、立場が逆転する


「結城さん!!」


結城さんが隆弘さんの上に跨る


「俺は...っお前が大嫌いだ...」


「ちょっ!?」


結城さんは懐からナイフを出す


ナイフ!?


ナイフ持参ですか!?


「そこの女、捕まえてろ...」


「はい」


「ちょっ!?離して!!結城さん!!!」


腕を掴まれて逃げれない


どうして...?


本当は...仲直りしたいんでしょ...?