だけど全然見えない...
砂埃がひどい
「理紗!!」
「達哉さんっ...」
駆け寄ろうと思ったけど、あたしは逃げた身だ
逃げようとする
が、捕まる
「てめえ、ふざけんじゃねえぞ!!」
「っ」
「隆弘さんの気持ち...お前がよく知ってんだろ!?」
「...」
「どうして逃げんだよ!?」
「...隆弘さんだって...あたしの気持ち...よく知ってるはずなのに...」
自然と涙がこぼれる
「本当は...一緒に居たいのに...隆弘さんが...帰れって...」
「嘘に決まってんだろ!?あの人は、お前の幸せを1番に願ってんだよ!!気付いてやれよ!!」
...気付けるわけない...
隆弘さんは...嘘言う人なんて分かんないんだもん...
「理紗、もう1度言う。隆弘さんの気持ち、お前が1番知ってんだろ?」
「....」
何も言わずに頷く
「だったら隆弘さんを止めてくれ。あの人、本気で相手を殺す気なんだ」
「え...?」
結城さんを...!?

