富永「‥どうすっかなあ‥」下にはゾンビがうようよしている。「(まあ、いいや)」ごろんと横になる富永。「(どうせここまで登ってこれないし、ゲームでもしよ)」PSPをし始める。 モンハンだ。 〈カチャカチャ〉「(音なるなあ)」ハンカチでPSPをくるむ。「これでましになったぞ」

10分後ー。パトカーが通り過ぎた。サイレンは鳴らしてなかった。1時間後ー自衛隊のヘリコプターが学校の上を通り過ぎた。助けを呼ぶつもりでカッターシャツを振ったが全く無視された。
それから1時間後ー。
「(よっしゃあ!レア武器ゲットー、あ、もう充電器にもバッテリーないや、ちっ、)」時計を見る。富永「(うーんもうそろそろいいだろ)」下を見る富永。 かなり減ってはいたが、まだかなりの数がいる。中には座り込んでいるゾンビも。富永「(……はあ、ん?)」今まで気が付かなかったが屋根の上に、軟式ボールが一個あった。
「(おお?なんて運が良い!)」音をたてないように動き、ボールをとる。
「(よし、後は…)」投げる。
〈ヒューーーー‥ガン!‥ポン、ポン、ポン〉《ピク》《ヴアアアアアア》
「(よし!いけいけ!)」
「ようし!みんな行ったな?よいしょっと」ぶら下がり、下に下りる。
「(さて、いきますか)」
次に起こす行動をゲームをしながら考えていた。まず、これだけの騒ぎにも関わらず、警察や、自衛隊のヘリコプターが無視して通り過ぎた事、街から煙が上がっている事、そして何より無音だという事。それらを踏まえ、出た結論は…。街はもう全滅と考えた方が良いという事。「(封鎖され、まだ生きている県を考えると四国や九州くらいか。自転車で行くには遠いなあ。でもバイクには乗れないし、車は論外、なら…自転車しかないかあ。マウンテンで良いかな?食料、トイレ紙、それから…武器!‥うーん‥何が良いかな?‥薙刀かな?薙刀みたいな感じで刃の部分が長いやつないかな?この近くに薙刀道場なんてあったっけ?……ない‥な、はあ‥)」そう考えた。
駐輪場へやってきた富永。
「(さあて、…‥〈もぞもぞ〉うーん、やっぱり鍵が掛かってんなあ…‥…………はあ、駄目だ、やっぱり1台もかかってないやつないや、無理やり壊せば音鳴るし、仕方ない…ここは歩きで行くしかないか)」
富永は傍の壁をよじ登り、校外へ脱出、ホームセンターへ急いだ。