1時間前ー。
富永は普通に授業を受けていた。すると、〈ウワア、キャア、ギャ、アア、〉という微かな音がしたのだ。しかし、暫くすると何も聞こえなくなった為深くは考えなかった。それから10分したら、今度ははっきりと〈うわああ!〉〈キャア!〉〈やだあ!やだああ!ギャー〉という声が隣のクラスから聞こえてきたのだ。当然真っ先に担任が動く。その間も悲鳴や怒号、叫び声、激しい物音が聞こえてくる。クラスメート達は担任が帰ってくるのを待ったが、一向に戻ってくる様子がない。そこでクラスの中でも責任感が強い生徒や、好奇心が旺盛な生徒達が教室を出て見に行った。しかし、その内の1人が直ぐ戻ってきた。しかも戻ってくるなり、いきなり鍵を閉めろという。「早くしろって!」〈ガチャガチャ〉閉めながら喋る。教室のドアは鍵が付いていたが、皆何かの冗談だと思っていた。「またまたあ!」「何言ってんだか」「やめろよ本当に」「みんな怖がるでしょ!止めてよ!」「ったく!これだから不良は‥」「ゾンビだよ!ゾンビが来たんだ!」「はあ?」『‥ぷ!‥きゃはははははは‥』「それまじウケるう~!」「お前まじかよお?」「そんなキャラだったんだあ!」「何かよく分かんないけど!とにかく、早く閉めんだよ!」もう一つのドアも閉める。〈ガチャガチャ〉〈キーンコーンカーンコーン〉丁度5時限が終わった。「ちょっと!私トイレに行きたいんだけど!」「私もお」「ちょっとどきなさいよ!」「駄目だって!今外に出るな!」