その音に釣られやってくるゾンビ達。
富永「あんた方、戻ってくんの早くない?」7m付近までもう来ている。「まあ、ここまで来る為に音出しまくって来たんだけどさ!」〈ガシャ、ガシャ〉また登り始める富永。フェンスの上までくる頃にはフェンスの向こう側までゾンビ達が群がっている。「しまった~フェンスの向こうは安全だと思ってた、どうっすっかなあ‥」〈ガシャガシャ〉「!うわ!」ゾンビがフェンスを揺らし始めた。「く!」フェンス伝いに逃げるしかなかった。〈ガシャガシャ〉しかし、フェンス伝いに逃げても音は止まず、ずっとゾンビ達は付いて来る。「あそこまで‥いけば!」そこは野球部の更衣室の屋根だった。〈ガッシャン・ガッシャン‥ガシャッバキン!ギギギー‥〉とうとうフェンスが壊された。富永の後ろから3つぐらい離れたフェンスだ、しかし、中途半端に留め具が外れてこっちのフェンスまで倒れそうになってしまっている。「やば!」
富永は急ぐが間に合ずに、フェンスの倒れていく面の方に、宙ぶらりんになってしまった。手を離せばゾンビの餌食だ。次のフェンスも倒れそうだ。どんどん下に近づいていく。
富永「く!」富永は何とか懸垂で倒れゆくフェンスの向こうの面へ移動する事に成功した。そしてそのままゾンビ達の上へ。
《ガジャーン》ゾンビ達が周囲からくる。《ヴアアアアアア》「うあお!」富永は螺旋階段のように捻れているフェンスの上を駆けた。
そして再びフェンスを掴み、野球部の更衣室の屋根の上へ飛び乗った。
「ふーっ‥セーフ」 倒れたフェンスはもうゾンビで見えない。「(さあ、これからどうするか)」
富永はこれからの事を考えると同時に、1時間前の事を思い出していたー。