〈タタタタタ‥〉ゾンビ達が蠢く間を走って通り抜ける富永。殆ど全力疾走だ。 富永「はあ、はあ、はあ ‥(街に行けば何とか‥生きてる人に会えるかもしれない)」そう思い、グラウンドを横切り校庭の外に出ようとして、一瞬立ち止まりそうになる。富永「(まだ生き残りがいたのか)」グラウンドでは体操服の男子や女子が逃げ回っていた。が、取り囲むように追いかけられ、終いには捕まってしまっていた。

富永は素早く裸足になる。そして両手に靴をもち、グラウンドに降り立つ。
〈ドーザザー‥〉《ピク》《ヴアアアアアア》『スーーー‥来いやあああ!!』
わざと大声でおびき寄せる。後ろからも前からも横からも来る。「まだまだ‥」落ちている鉄パイプを思いっきりコンクリートへ投げる〈ガ!ガキン!ガラン、ラン、ガランガラン、カラカラ‥〉「よし今だ」〈ダ!〉周りをぐるっと周りながら目的の場所へ、全力疾走。時にはスライディング、時には転げながら、ゾンビの群れをかわす。かすったら命はない。

「(さあ、着いたぞ )」グラウンドは巨大なフェンスに囲まれている。が、一部分、低くなっている所がある。しかし、フェンスを登り始めるには時間を要する。そこで出来るだけそこからゾンビを遠ざけたかったのだ。 案の定フェンスの所にはゾンビはいない。校内靴の紐同士をを結び首に掛ける。〈ガシャン!ガシャガシャ、ガシャ、ガシャ、ガシャ‥〉フェンスを登り始める富永。