走馬灯のように流れる映像。中学生の頃、いじめられていた富永は10歳上の兄に相談した。兄「お前は弱いんじゃない、戦い方を知らないだけだ、だから落ち込むな」富永「そりゃあ兄貴は軍人だし、強いし、頭も良いし、ルックスも‥女にモテモテだし、だから俺の気持ちなんてわからないよ!」「なら、終わりか?」「は?」「愚痴を吐いたら前に進め、トミー」富永「…」兄「いいか?人には3種類の人間がいる、人生を諦めて愚行をする者、ただ、微かに希望を抱いたフリをしてこれ以上は自分には出来ないと諦めてただ生きる者、そして、夢を、目標を追いかけて、戦う人生を選ぶ者、だ!さあ、お前は勿論、 戦う!だろ?」「は?勝手に決めんな!」「いいや!決めるね!決めつけるね!なんせほら!」

富永「?」

兄「俺の弟だ」


走馬灯が終わる。

「ったく!」
〈タン!〉上体はもう倒れている、棚の上で倒れている体をワザと宙に浮かす為に跳び、壁にもう片方の足をつける。〈タン!〉そして強く蹴る!〈グン!ーー‥ドシャア!!〉着地は体全体でヘッドスライディング、間髪入れずに体を回転させ素早く上体を起こす、〈ークルン〉〈ーダン!〉踏ん張り、〈ダッダッダ‥〉走り出す。壊れたドアから教室を出て、廊下のゾンビ達の群れを壁飛びで駆けていき、重力の限界が来たら、ゾンビの肩に飛び乗り、崩れ、倒れ、た拍子に横に転がり、自分にかぶさってくるゾンビを交わし、そのゾンビ達の背中を踏み台にし、廊下の硝子を破り、落下。ここは4階だ。下はコンクリート。だが雨樋があった。それを掴む。
〈パシ!バキン!〉「へ?」〈バキン、バキン、バキン、バキン‥〉雨樋の留め具が富永の体重を支えきれずにどんどん外れていく。「う?うわああああ」〈ギギギー‥〉パイプは今に折れそうな程曲がっていく。〈ボコ!ボコボコ!ベコ!ギー、イイーー‥〈スタ!〉ドガシャーンー!!〉
地面に落ちる前に自ら跳び、着地に成功。少し足が痺れている。だが走るには問題ない。
「(まずはデカい音をさせた所から離れないと)」
富永は走り出す。

未来へ。