家主人が家に入れない事に気がつかないまま富永はゾンビ集団を惹き付けたまま、屋根伝いに戻っていった。
家主人「{…おい、開けろ!誰かは知らんが、化け物共を惹きつけていってくれたぞ}」〈シーン…〉「{おい!俺だ!早く開けろ!}」
〈カサコソ〉玄関内から音がする。「{おお!来たか、早くここ開けて、外にこい、ハシゴで屋根にー}」婦人「{本当にあなた?}」「{俺だって!早くでてこい!大丈夫だから!}」「{嫌よ!やっと泣き止んだのに!}」
子供の泣き声が消えている。
「{大丈夫だから!早くしないとまた化け物がやってくるぞ!}」「{家で大人しくしてれば問題ないでしょ?}」
「{あいつら凄い馬鹿力で、こんなドアなんかすぐに壊されちまうよ!}」「{だから!静かにしてればいいじゃない! 家の中には食料や、赤ちゃんの為のミルクとかもあるのよ!?大体ね、ここを出てどこいくのよ?赤ちゃん連れてなんて行ける訳ないじゃない!}」「{‥…ーだから、俺が、寝袋とかホームセンターから取ってきてやるよ!}」「{はあ?出来る訳ないじゃない?}」「{出来るさ!やらなきゃいけないんだろ?}」「{だからあ!ここから出なくてもー}」「{無理だって!赤ちゃんは泣くのが仕事って、お前言ってただろが!後一回でも泣かれたらアウトなんだ!お願いだから、もう一度泣く前に屋根に登ってくれ、な!お願いだよ…」
〈…シーン〉
「{おい!}」
「{嫌よ!}」
「{な!?}」
「{私ここから絶対に出ない!}」
「{だからこんなドア簡単にー}」「それでも出ない!」
「{ば!大声だすな!}」「あんたが悪いんでしょ!?あんたがしつこいからよ!そんな事だから前カノに捨てられるんだわ!」「{お前頼む!こんな時にヒステリックになるなよ}」「!~~~‥な、何ですってえ!だいたいあんたがちょっと外見てくるって外に出たのが悪いんじゃない!だいたい!普段からあんたの事邪魔だったのよ!普段からぐちぐち文句垂れやがって!まあ、こんな世の中になったんだし?もう給料なんて関係ないし?さっさと死んでくれればいう事なしだわよ!そこでくたばれ!甲斐性無し!」
「{わかったから…大声だすな!頼む}」「聞こえないわよ!」〈ジャ〉
家主人「ビク」
〈ジャ、ジャ、ジャリ〉

家主人「ああ‥」