そして、その先には、真っ白な燕尾服に身を包んだ、完璧な青年が優雅に微笑んでいた。金の髪は美しく後ろに撫で上げられ、整った薄い唇が「アカネ」と呼んだ気がした。
朱音はたおやかな純白のドレスをゆっくりと持ち上げると、真白い靴で彼の元へと向かって歩き始めた。吸い込まれそうなブラウンの瞳が、唯一人の少女だけを映していた。
ここにいる誰もが神秘的な美しさを放つ朱音に釘付けになっていた。
誰もが、心から若き国王と少女の幸せを、そしてサンタシの幸せを願っていた。
そして、少し離れた場所からそれを見守る友人達の姿もそこにあった。
アザエルは、いつも通りの変わらぬ無表情で同盟国の代表としてじっとそこに佇んでいた。碧く長い髪は左で緩やかに結われ、真っ黒な礼服の上で輝いている。
そのすぐ隣では、似合わない礼服を窮屈そうに身につけたディートハルトの姿が。その顔の傷はいつになく緩み引き攣れている。
そして、騎士としての職を全うしようと、いつも通りの騎士姿でにこにこと笑うユリウス。
礼服を着ているというよりは着られていると言った方が適切だろうロランが、にこりとはしないが霞がかった茶の目は、幸せそうな朱音に向けられていた。その胸には二対のペンダントが掛けられている。
朱音はたおやかな純白のドレスをゆっくりと持ち上げると、真白い靴で彼の元へと向かって歩き始めた。吸い込まれそうなブラウンの瞳が、唯一人の少女だけを映していた。
ここにいる誰もが神秘的な美しさを放つ朱音に釘付けになっていた。
誰もが、心から若き国王と少女の幸せを、そしてサンタシの幸せを願っていた。
そして、少し離れた場所からそれを見守る友人達の姿もそこにあった。
アザエルは、いつも通りの変わらぬ無表情で同盟国の代表としてじっとそこに佇んでいた。碧く長い髪は左で緩やかに結われ、真っ黒な礼服の上で輝いている。
そのすぐ隣では、似合わない礼服を窮屈そうに身につけたディートハルトの姿が。その顔の傷はいつになく緩み引き攣れている。
そして、騎士としての職を全うしようと、いつも通りの騎士姿でにこにこと笑うユリウス。
礼服を着ているというよりは着られていると言った方が適切だろうロランが、にこりとはしないが霞がかった茶の目は、幸せそうな朱音に向けられていた。その胸には二対のペンダントが掛けられている。


