冷ややかで殺気の篭ったアザエルの声に、中庭の奥で呻く声が返ってくる。
いつものごとく、あの紅髪の青年は、中庭の木陰で昼寝をして仕事をさぼっていたようだ。
「・・・ふぁあああああ・・・。眠ぃ・・・」
むっくりと起き上がったファウストは涙を浮かべながらぐっと伸びをした。
「死にたいか」
冷たい剣の先を首に宛がわれ、ファウストは冷ややかな碧髪碧眼の男を見上げた。
「おっかねぇの」
にやりと笑みを浮かべ、フェウストは続けた。
「で、あんたから俺を探しに来るってことは、何か用があったんじゃねぇの?」
アザエルは、藍の布を寝ぼけ顔の青年に投げつけた。
「うおっと・・・! なんだこれ」
布を開こうとした瞬間、アザエルがファウストの胸倉を乱暴に掴み上げた。
「サンタシ国王陛下宛ての書状だ。封を切った時点で命は無いと思え」
突き放すように掴んだ手を離すと、ファウストはどさりと尻餅をつく。
「・・・てて・・・。で、このサンタシの王様宛ての書状をどうするって?」
アザエルの殺気を気にしない様子で、ファウストはとりあえず藍の布ごと懐へしまった。
「なるべく早く届けよとのクロウ陛下のお達しだ」
「へ~ぇ、クロウ王が俺にねぇ・・・」
ファウストは些か驚いたように、愉快そうに笑った。
「妙な動きを少しでもしてみろ、貴様の息の根を止める」
アザエルのファウスト嫌いは相当のものである。
いつものごとく、あの紅髪の青年は、中庭の木陰で昼寝をして仕事をさぼっていたようだ。
「・・・ふぁあああああ・・・。眠ぃ・・・」
むっくりと起き上がったファウストは涙を浮かべながらぐっと伸びをした。
「死にたいか」
冷たい剣の先を首に宛がわれ、ファウストは冷ややかな碧髪碧眼の男を見上げた。
「おっかねぇの」
にやりと笑みを浮かべ、フェウストは続けた。
「で、あんたから俺を探しに来るってことは、何か用があったんじゃねぇの?」
アザエルは、藍の布を寝ぼけ顔の青年に投げつけた。
「うおっと・・・! なんだこれ」
布を開こうとした瞬間、アザエルがファウストの胸倉を乱暴に掴み上げた。
「サンタシ国王陛下宛ての書状だ。封を切った時点で命は無いと思え」
突き放すように掴んだ手を離すと、ファウストはどさりと尻餅をつく。
「・・・てて・・・。で、このサンタシの王様宛ての書状をどうするって?」
アザエルの殺気を気にしない様子で、ファウストはとりあえず藍の布ごと懐へしまった。
「なるべく早く届けよとのクロウ陛下のお達しだ」
「へ~ぇ、クロウ王が俺にねぇ・・・」
ファウストは些か驚いたように、愉快そうに笑った。
「妙な動きを少しでもしてみろ、貴様の息の根を止める」
アザエルのファウスト嫌いは相当のものである。


