「お前・・・」
フェルデンが幽霊でも見たかのように、呆気にとられている様子からすれば、それはディートハルトの空耳でも幻想でも無いようだ。
スタリと身軽に馬の背から降り立った小柄の騎士は、何やら丸いものを後方に放り投げて駆け寄った。数秒後、それは『ズドン』と煙と炎を上げて爆発する。火薬弾だ。威力は左程ではないが、確実に周囲のマブ数匹を仕留めた。
「あなたの心強い心の友、ユリウスの登場ですよ。嬉しくて泣けてきちゃうでしょ?」
こんなときまで冗談を言えるのはまさにユリウスらしい。
「ユリ、無事だったのか!」
フェルデンは驚きで叫んでいた。
「俺がそう簡単にくたばる訳ないでしょう? だいたい、貴方を知りつくして手助けできるのって、俺を除いて誰がいるってんですか!」
ユリウスは火薬弾をひょいひょいと辺りに飴玉でも放り投げるかのように投げ上げてゆく。
「ひよっこの割に生意気を」
ディートハルトの言葉はいつものように悪態をついてはいたが、もう一人の愛弟子の成長を喜んでいるものでもあった。
「ははっ! けど、驚くのはまだ早いですよ。もう一人、心強~い助っ人がいるんです」
そうユリウスが言った直後、自分達の周囲をぴんと薄い膜のようなものが張り巡らされたのを感じ、二人は、まさかと声を上げた。
「じゃじゃ~~ん、我サンタシ国国王直属の最高の術師、ロラン君で~~す」
この地獄と化した場所で不似合いなユリウスの口調に、顔を顰(しか)めながらもフェルデンはユリウスの指差した方向を振り返った。
フェルデンが幽霊でも見たかのように、呆気にとられている様子からすれば、それはディートハルトの空耳でも幻想でも無いようだ。
スタリと身軽に馬の背から降り立った小柄の騎士は、何やら丸いものを後方に放り投げて駆け寄った。数秒後、それは『ズドン』と煙と炎を上げて爆発する。火薬弾だ。威力は左程ではないが、確実に周囲のマブ数匹を仕留めた。
「あなたの心強い心の友、ユリウスの登場ですよ。嬉しくて泣けてきちゃうでしょ?」
こんなときまで冗談を言えるのはまさにユリウスらしい。
「ユリ、無事だったのか!」
フェルデンは驚きで叫んでいた。
「俺がそう簡単にくたばる訳ないでしょう? だいたい、貴方を知りつくして手助けできるのって、俺を除いて誰がいるってんですか!」
ユリウスは火薬弾をひょいひょいと辺りに飴玉でも放り投げるかのように投げ上げてゆく。
「ひよっこの割に生意気を」
ディートハルトの言葉はいつものように悪態をついてはいたが、もう一人の愛弟子の成長を喜んでいるものでもあった。
「ははっ! けど、驚くのはまだ早いですよ。もう一人、心強~い助っ人がいるんです」
そうユリウスが言った直後、自分達の周囲をぴんと薄い膜のようなものが張り巡らされたのを感じ、二人は、まさかと声を上げた。
「じゃじゃ~~ん、我サンタシ国国王直属の最高の術師、ロラン君で~~す」
この地獄と化した場所で不似合いなユリウスの口調に、顔を顰(しか)めながらもフェルデンはユリウスの指差した方向を振り返った。


