手元を狂わされたヘロルドは、再び巨大竜巻を創り始めるが、次に三方向から次々に攻撃を始めるアザエルの水の魔術に、咄嗟にその手を緩めて防御体勢をとった。動きの速い三つの蛇の頭を同時に風の刃で叩き落すことは難しく、攻撃の直前突風でそれを妨害するしか手立てがない。
そのせいで、ヘロルドは仕方無く竜巻をつくることを一旦中断して守りを固めるのに気持ちを集中する他無くなってしまった。竜巻は、弱いつむじ風に変わり、ゆっくりと静かに消えた。
それでも、アザエルは自分の攻撃がヘロルドに届くまではいかないことに苛立ち、一気に蛇の頭を十数個に増やした。
十数個に増えた蛇はぐねぐねと曲がりくねり、またもや一度にヘロルドの首目指して飛び掛かる。少し怯んだかに見えたヘロルドであったが、その攻撃も見事突風で妨害して見せた。
アザエルはじっと目を細め、無表情にその卑劣な男を見つめていた。
ヘロルドの背に冷たいものが流れ落ちた。
(ひっ・・・!!)
そのなんと無慈悲で冷たい眼差しに、ヘロルドは恐怖していた。
(こ、殺される・・・!!!)
ぶるりと身震いした後、ヘロルドは青い顔でその恐怖をなんとか一掃しようと試みる。
(な、何を考えていた。殺されるだって・・・? そんな馬鹿な・・・。魔力の強さならば奴とさして違いは無い筈・・・! このわたしが殺られるなどあるまい!!)
いつの間にか、アザエルの手に創り上げられていた水の蛇の姿が消えていた。
そのせいで、ヘロルドは仕方無く竜巻をつくることを一旦中断して守りを固めるのに気持ちを集中する他無くなってしまった。竜巻は、弱いつむじ風に変わり、ゆっくりと静かに消えた。
それでも、アザエルは自分の攻撃がヘロルドに届くまではいかないことに苛立ち、一気に蛇の頭を十数個に増やした。
十数個に増えた蛇はぐねぐねと曲がりくねり、またもや一度にヘロルドの首目指して飛び掛かる。少し怯んだかに見えたヘロルドであったが、その攻撃も見事突風で妨害して見せた。
アザエルはじっと目を細め、無表情にその卑劣な男を見つめていた。
ヘロルドの背に冷たいものが流れ落ちた。
(ひっ・・・!!)
そのなんと無慈悲で冷たい眼差しに、ヘロルドは恐怖していた。
(こ、殺される・・・!!!)
ぶるりと身震いした後、ヘロルドは青い顔でその恐怖をなんとか一掃しようと試みる。
(な、何を考えていた。殺されるだって・・・? そんな馬鹿な・・・。魔力の強さならば奴とさして違いは無い筈・・・! このわたしが殺られるなどあるまい!!)
いつの間にか、アザエルの手に創り上げられていた水の蛇の姿が消えていた。


