アザエルの不機嫌な声に、ヘロルドは返した。
「排除だと・・・? 笑わせるな、死に損ない。本当にこのわたしをそう簡単に倒せると思っているのか。今や、ゴーディアで国王の次に強い魔力を持っているのだぞ。そう、お前を除いてな!!」
そう言い終わらぬうちに、ヘロルドは節ばった両の指をアザエルに向けた。
「死ねえええええ!!!」
それはまさに一瞬だった。
アザエルは直感で危険を感じ飛び退いたが、それを完全に避けきることはできなかった。それはまるで目には見えない鋭く巨大な刃が飛んできたかのようであった。
ぼたぼたと赤黒い血を垂らし、アザエルが肩口を押さえた。掠っただけのようだったが、傷口はぱっくりと割れ、深くまで到達したようだ。
「・・・」
この攻撃を胴に受けたとしたら、さすがのアザエルも一溜まりも無い。アザエル自身、この男の力を見くびり過ぎていたのかもしれない。
「ふん、うまく避けたな。だが、次は外さぬぞ!!」
自分の攻撃が、アザエルを掠めたことで、一時的な興奮状態になっているヘロルドは、瞬きすらも忘れてしまう程、異常な汗を噴き出している。
再び風の刃を繰り出そうとするヘロルドから、アザエルは少し距離をとる必要を感じ取った。今まで、この男の魔力を目にする機会のなかった分、その力は未知数だ。無闇に近付きすぎると良くない。アザエルの肩口の傷がその証拠であった。
「排除だと・・・? 笑わせるな、死に損ない。本当にこのわたしをそう簡単に倒せると思っているのか。今や、ゴーディアで国王の次に強い魔力を持っているのだぞ。そう、お前を除いてな!!」
そう言い終わらぬうちに、ヘロルドは節ばった両の指をアザエルに向けた。
「死ねえええええ!!!」
それはまさに一瞬だった。
アザエルは直感で危険を感じ飛び退いたが、それを完全に避けきることはできなかった。それはまるで目には見えない鋭く巨大な刃が飛んできたかのようであった。
ぼたぼたと赤黒い血を垂らし、アザエルが肩口を押さえた。掠っただけのようだったが、傷口はぱっくりと割れ、深くまで到達したようだ。
「・・・」
この攻撃を胴に受けたとしたら、さすがのアザエルも一溜まりも無い。アザエル自身、この男の力を見くびり過ぎていたのかもしれない。
「ふん、うまく避けたな。だが、次は外さぬぞ!!」
自分の攻撃が、アザエルを掠めたことで、一時的な興奮状態になっているヘロルドは、瞬きすらも忘れてしまう程、異常な汗を噴き出している。
再び風の刃を繰り出そうとするヘロルドから、アザエルは少し距離をとる必要を感じ取った。今まで、この男の魔力を目にする機会のなかった分、その力は未知数だ。無闇に近付きすぎると良くない。アザエルの肩口の傷がその証拠であった。


