ギブアップとは、小春が追い詰められたときに楓に助けを求める言葉だ。 「なんか、八木くんとか手伝ってくれそうなのにね」 「八木は、執行部便り作っるから仕方ないの。問題は平良に注意もしない乾に、スピーカー運んだままどっか行った樋村よ」 樋村は放送室にスピーカーを運んだまま、生徒会室に戻ることなくどこにいるかわからなかった。 「全く、呑気にゲームでもしてるんでしょうね」 「樋村くんに限って…そんな…」 楓は急にもじもじし始めた。