「自分から他の部活を手伝ってやるとか」
「女の子一人じゃこれは重いし、俺紳士だから」
「なら、樋村一人で持っていけたんじゃない？男だし」
「先っぽは会長の仕事だからヤダ」
小春は、樋村の意味のわからない返答に少し困ると笑ってしまった。
「あ、そういや八木が樋村探してたよ」
「ふ～ん」
「"ふ～ん"って…」
あまりにも焦らない樋村に、彼には見えないが苦笑いした。
「そういやさ、私のあだ名とかないの？」
「ん～？なんで？」
「何て言うかさ、私だけ"会長"のままっていうのも」
「会長のあだ名は"会長"だから仕方ないんじゃない？」
「え？」
「"会長"ってのが嫌なの？」
「そういうわけじゃないんだけど…」
