次の日
「…楓」
『なんだ』
「い、いつまで歩くのですかっ…」
村から出て、もうどのくらいたっただろうか
森の道なき道をひたすら進む
「あまり奥へ行きすぎると、隣国の偵察兵に見つかってしまいます…」
ぜーはー言いながら話しかけても、
楓は答えてくれなかった
目的地に向かってひたすら進んでいる
「楓っ…」
『時間がないのだ』
「えっ?」
時間?
なんのことだろう
ガサガサガサガサ
草や木を分けながら進む
帰り、迷ってしまいそうだ
「楓、まだですか?」
ピタッと、
前を飛んでいた楓が止まった
「……楓?」
『…いた』
どきっと
心臓が跳ねる
いざ、目の前にすると緊張するものだ
楓が、私に会わせたい人
そろっと、楓の隣に並ぶ

