くるりと振り返ると、
そこに私の式神
水を司る 蒼(あおい)
がいた
背が私より少し高く
とても大人っぽい雰囲気だ
はだけた、花魁のような
格好
藍色の髪を高く結び、
ゆるくねじりながら肩に垂れ下がっている
「蒼さま、いらしたんですね」
「ずーっと、いたわよ。縁が来る前からね。…で、明日、地主神の願いを叶えにいくの?」
「ええ。約束しましたし」
「そんな安請け合いしていいのかねぇ…」
「えっ?!蒼さまは、楓さまのお願いを聞いたのですか?!」
またもや わたわたしながら
私と蒼を見返す
縁は落ち着きがないけれど
見ていてとても飽きない
面白い子だ
「もちろん。鈴に、会ってほしい人がいるんだと」
ちょっとの沈黙のあと
「…そ、うですか…」
明らかに、拍子抜けした反応だ

