それから、私たちはいつものように教室に向かい、自分の席に座る
私の席は、一番窓側の
後ろから1つ前
一番後ろは、杏の席だ
この席はいい
後ろでコソコソ、先生にバレないようにお喋りしたり出来る
…まあ、バレちゃうんだけど
でも今日からは…
スッと、机の横にかけた鞄をさわる
この中に、あの二人がいる。
…若干鞄が動いてるし
他のみんなは姿が見えないから、心配することはないだろうけど
「………ねえ響古」
杏が、いつより落ち着いた…
低い声で呼ぶ
こういうときは大抵、
杏が悩みを打ち明けたり、大事な話をするときだ
「…なに?」
私も真剣な顔になる

