鈴の音が響く頃



「あっ!いたー!!!!紫さんっ…と、杏?!?」

やっと、見つけられた

ぜーはー言いながら顔を上げると、

人間の姿になった紫さんと杏が二人で話していたらしい、所だった



あれから、通ってきた道を遡り、でも見付からず

私のカンを頼りに学校中を駆け回っていた

…カンが外れまくったがために、こんなに走ることになってしまったんだけど



「おい紫!お前一人だけ遊びやがって!!!」

紅が紫さんにパンチをするも、ひらりとかわされる


「遊んでた訳じゃないよ。響古が急に走り出すから、振り落とされてしまって、あの小さい姿だから為す術がなくてね」

「うう…」


紫さん…にっこり笑ながら話すけど、どこかに悪意がある…


「そしたら、たまたま杏ちゃんが見付けてくれて、案内してくれるって言うから、甘えようとしてたんだよ」

「そうなの?杏。」


くるっと向きを変え、杏を見る


「う、うん!そう!!!」

「…杏?」


…ちょっと、様子がおかしいような…



「……まあ、とにかくアレだ。これから人が集まるんだろ?オレらを戻して、お前らは"キョウシツ"とやらに行けよ」



紅が珍しく場をまとめる

なんか、さっきから意外な一面が多い気がする…


「そうだね…じゃあ…」


目をつむり、
"戻れ" と、念じる



すっと目を開けると、
そこに二人の姿はなく、
床にちいーさくある、
マスコットになった二人が目に入った


「ほ、ほんとに戻った…」


杏が唖然としながら
ぼそっと呟いた