私は職員室から離れ
廊下を歩く
ふと、窓から
あの旧校舎が見えた
古くて、いかにもって感じな、あの校舎
響古曰く
あそこは聖なる場所で
この学園や地域を守る役目の神様がいる
その人や、そのまわりの霊の気が強くて、
何も知らない、ごく一般の普通の人は、
その気に当てられ
気分が悪くなったり、
幻覚が見える
…その幻覚も、本人が
"見たい"と強く思うものの現れ
あそこには悪い霊はなく、
むしろ綺麗な場所…
そういうことらしい
窓を少し開けると、
秋の朝の、爽やかな風が
私の頬を撫でる
響古の能力によって、
私の生活は変わった
私自身の価値観や考え方
そして、心―…
ポンッ!!!!!!
「っ!!!!!!」
体が、ビクンと跳ねる
何かが弾けるような、音
「君は…」
「えっ!!!!」
突然の声に振り返る

