頼まれていた仕事を終わらせ、
私と響古は旧校舎へ向かっていた
もう日も沈みかけ、薄暗い、怪しい雰囲気が広がっていた
よくない噂もあるだけに、
旧校舎に向かう足取りはかなり重く、
とてつもなーく、行きたくないけど
響古は全く感じてないようで、スタスタ歩いていった
「…なんかこの時間の、この雰囲気、嫌だね…」
ぼそっと、独り言のように呟く
「え?なんで?」
「なんでって、なんか出そうじゃん!」
「なにが?」
「だから、ユーレイとか、その他もろもろ!!」
ほんとに響古は天然だ
…というより、アホなのかな?
ふわっと風が吹き、
桜の花びらが舞う
花吹雪、というやつみたいだ
薄暗い中でも花びらはとても綺麗で
花びらと一緒に舞う響古の長い髪が
あまりにも美しく感じて
私は少しばかり見つめていた
「…着いたね」
はっと、我に帰ると
そこはもう旧校舎入り口だった
…風が、やけに冷たく感じた
「ほ、ホントに入るの?!」
私の質問には全く答えず、
じーっと旧校舎の扉を見つめている
そろっと、響古の前側に移動する
「響古?」
「やっぱり、みんな勘違いしてるだけだったね」
ふうっと、小さなため息をつくと、悲しそうにうつ向いた

