鈴の音が響く頃


私が響古の能力に気付いたのは、去年の春


クラスで、ある怪談が流行った


うちの学園の敷地の片隅にある、小さな校舎


いまは、全然使われていないけど
かなり昔に、戦争の時に亡くなった人たちを一時的に保管する施設だった…


という、噂


興味本意に近づいて肝試しした人が死んだり、病気になったり、
とにかく良くないことが起こる…ってわけで、
みんな誰も近寄らなかった


そんな話を響古としていたときに、
知ったんだ。





「ねぇ、響古。あの怪談知ってる?」

「怪談????」



その日は二人で教室で
先生に頼まれたプリントをまとめる作業をしていた


夕陽が教室に差して、
辺り一面オレンジの光に包まれていた



「ほら、最近また流行りだしたじゃん"呪われた校舎"の話!」

「ああ、あの奥にある旧校舎?」

「そそっ!近付いたら呪われるって言うのに、怖いもの知らずの人が、最近肝試しとかしてるらしいよ〜」

「………」


私の勝手なイメージだけど、
響古は怖いのとか、おばけとか、苦手なキャラだと思ってた。
だから、きっとすごく怖がって……