「もしかして、どっか遊びいっちゃう気!?!?」
紫さんだって見つけられてないのに
紅までどこかにいっちゃったら
「行かねーよ。…ったく、信用ねーなぁ」
腰に手をあて、またもや
はぁ と溜め息をつく
「だ、だって、すごく現代に興味がありそうだったから…」
おずおずと下がる
このサイズになった紅には、どーにも強気になれない
「それは、いつだって出来るだろ。今は、紫を探さないと」
いいながらスタスタ階段を上っていく
私も慌てながら後ろについていく
「紫さんを、心配してるの?」
「…あいつは、主のところから離れると厄介だからな」
「え?どういうこと?」
ぴたっと、紅が止まる
紅の背が、いきなり目の前に飛び込んだので
私も慌てて数歩下がる
「あいつは、簡単に言うと"人見知り"なんだよ」
「そうなの!?そんな感じ、全然しなかったけど」
初対面の杏にも、普通に接しているように見えたのに
「…とにかく、早く探すぞ」
くるっと私の方を向き、目が合う
窓から差した日の光に
赤い髪がとても、
燃えるように見えて…
って、何を考えているんだ、私は
しっかりしないと、感情が乱れて
また心が読まれちゃう…
「オレが元に戻った、ってことは、紫も戻ってるハズだから、見つけやすくなったかもな」
「う、うん」
「早くしないと、人が集まって不味いんだろ?急ぐぞ」
「は、はい!」
足早に歩く紅
なんか、思ってたよりも
カッコよくて、しっかりしてて…
ちょっと、私、どうしよう。

