ばっ と、痛んだ首もとを押さえると、
小さく「ぐえっ」
と悲鳴が聞こえた
「…く、れない…?」
恐る恐る
押さえた掌を開く
やはり、紅が
私の手にころーんと転がってきた
「お、まえ…!」
顔を押さえながら睨む
私が勢いよく首を押さえたときに、
同時に紅も挟み込んでしまったみたいで
紅は顔面を私の首に勢いよく突っ込んだのだ
お陰で顔は赤くなっている
「ご、ごめん…全く気付かなかった…」
思わず苦笑する
「このやろう…危うくお前の肩から振り落とされる所だったんだぞ…それに気付かないから」
「だから、ごめんってば」
「ごめんで済むか!!!!」
紅が相当、怒っている
「全然気付かないから、噛んでみたら、今度は後ろから叩かれるしな」
「か、噛んだの?!?!」
「それくらいしか気づかせる方法がないからな」
「もっと他にもあるでしょう!!!!」
マスコットサイズだとしても、
まさか男の人に首を噛まれるなんて…!!
「うるせーな。早く、紫探すぞ!」
半泣きになっている私に構わず、紅が私の肩に飛び乗る
「紫さん…?」
「さっきので、オレは平気だったけど
紫は振り落とされたんだ。…お前が勢いよく走り出すから」
じろっと、私を見る
「う…」
「ここが危険じゃないって、教えたかったんだろ?それは、もう分かった。だから次は、紫を探すぞ」
「は、はい…」
さっきの私の努力は…

